『音楽化社会の現在―統計データで読み解くポピュラー音楽』刊行!

去る2019年4月15日『音楽化社会の現在―統計データで読み解くポピュラー音楽』(南田勝也, 木島由晶, 永井純一, 小川博司編著、溝尻真也, 小川豊夢著、新曜社)が刊行されました。若者を主な対象とした大規模な統計調査の結果を基に、2010年代の音楽はどのように楽しまれているのかを分析した論文集です。

 

CD離れが叫ばれるようになって久しい昨今ですが、一方で音楽はいまでも、若者の間で非常に強い興味の対象であり続けています。ではそんな2010年代に、若者たちはどのような音楽を、どのように聴いてきたのか。6人の社会学者・メディア研究者が、ジェンダー,コミュニケーション,アイデンティティ,メディア,消費,地域といったキーワードを軸に、2010年代の音楽文化について論じました。

 

溝尻は第7章「Media: 音質へのこだわりとその行方」を担当しました。今回の調査を行った2010年代前半は、iPodWalkmanからスマホへと、音楽再生のためのメディアが移行した過渡期にあたります。そんな時期に、ユーザーたちは音楽再生機器に何を望んでいたのか、またその傾向は時代とともにどのように変化してきたのかを記述しました。

 

このような、統計データに基いて音楽ファンのありようを分析した研究は、実はこの業界でもあまり多くはありません。その意味でも、本書は貴重な研究成果になるのではないかと思っています。

 

小川博司先生曰く「(たぶん)平成最後のポピュラー音楽研究本」、どうぞよろしくお願いします!

 

音楽化社会の現在―統計データで読むポピュラー音楽

音楽化社会の現在―統計データで読むポピュラー音楽